07月31日(金) 一本の線の終わりに、職人のこだわりがあります。
この写真は、はんこを数倍に拡大したものです。
一見すると何気ない線ですが、実は私が最も大切にしている部分があります。
それは、線の終わりです。
よく見ると、線の先が少しだけ広がっているのがお分かりでしょうか。
これは彫刻刀が滑ったわけでも、偶然こうなったわけでもありません。
私は最後の仕上げで、あえてこのような表情をつくっています。
筆で文字を書くとき、最後は少し力を込めて止めます。
その「止め」の余韻まで印鑑に表現したい。
そんな思いで、一画一画を仕上げています。
機械は正確に文字を彫ることはできます。 しかし、このわずかなふくらみや、筆が止まる瞬間の表情までは表現できません。 印鑑は、最後の仕上げで大きく変わります。 私は、この最後のひと手間で、文字に命を吹き込んでいます。

