06月17日(水) 良いハンコを作ってもらう為の魔法の言葉(その2)
「急かしな」
「急ぎますか?」
そうお尋ねすると、多くのお客様が
「なるべく早く」
とおっしゃいます。
もちろん、すぐに必要な事情がある場合は別です。
しかし、本当に急ぐ必要がありますか?
職人の仕事は、彫ることだけではありません。
文字の配置を考え、
線の太さを調整し、
何度も印稿を描き直します。
一本の線を少し動かしただけで、印象は大きく変わります。
お客様には見えない作業ですが、この時間こそが印章の価値を決める大切な工程です。
実は職人にとって、
「急ぎでお願いします」
よりも、
「良いものを作ってください」
の一言の方が何倍も嬉しいのです。
急かされると、どうしても作業を前へ進めることが優先になります。
しかし、時間に余裕があれば、
「もう少し良くできないか」
「この線の方が美しいのではないか」
と、もう一歩踏み込んで考えることができます。
良いハンコを作ってもらうための魔法の言葉。 それは、 「急がないので、良いものをお願いします。」 かもしれません。 職人は、その一言で燃えるものです。

